お盆は日本のホーリーウィーク
こんにちは、コウダイです。
私は両親ともに東京出身で田舎がなかった事から学生の頃まではお盆に特に縁がなかったのですが、社会人になってから世間には「お盆休み」なるものがあるという事に気づきました。
小中学生の頃までは祖父母がバブルの開発ラッシュ時に購入していた鴨川の近くの房総半島のリゾートマンションで過ごしていた事から夏休みの大半は房総の海や山で過ごしていたので、本当にお盆の存在に気付く事はなかったのですが、確かに8月の「お盆」なる時期には夏祭りが行われて盆踊りに出かけていたのを覚えています。
今では当たり前になった阿波踊りなどもこのお盆に行われていたお盆が地域で土着化し変化を遂げたものであり、大きなコンセプトである「お盆」という事には変わりはありません。確かに外国人に「お盆」とは一体何なのか?と聞かれても、説明に困ります。
私が単純に聞いていた話では、「ご先祖様がこの時期になると家に帰ってくるからお迎えをしてあげる」などといって、ナスやキュウリで動物の形を作って飾っていました。
東京のお盆は7月でしたが、確かに8月のお盆期間に関しては東京の街はガラッと静まりかえり、観光客で溢れかえるという現象が起きます。
盂蘭盆会:サンスクリット語に由来する深い意味
「お盆」は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれます。この言葉、実はサンスクリット語の「ウランバナ」に由来し、「逆さ吊り」を意味します。これは、お釈迦様の弟子である目連尊者が、亡き母が餓鬼道で苦しむ姿を見て、その苦しみを救うために供養を行ったという故事に由来します。
盂蘭盆会は、まさに先祖の苦しみを救い、感謝の気持ちを表す期間なのですが、完全に仏教の文化によるものなので、Buddism(ブディズム)のセレブレーションやイベントとの類いになります。これが1日ではなく、1週間程になる事から英語で説明するのであれば「ブディズムのホーリーウィーク」である事には間違いありません。
しかし、この「お盆」を海外からの旅行者に説明するのは、なかなか難しいものです。
「ホーリーウィーク」と言っても、クリスマスのような華やかさはありませんし、宗教的な意味合いも深く、シンプルに説明するのは困難です。
「お盆って何?」と聞かれたときに、「ご先祖様の霊が帰ってきて、家族と一緒に過ごす期間だよ」と説明すると「じゃあ、ハロウィンみたいな怖いお祭りなの?」と返されて、言葉に詰まってしまうのはお決まりのパターンです。
正直、お盆をしっかりと家族で集まり行事を行う家庭はどこまであるのでしょうか?家が本家であり、田舎の地域であれば、今もお盆や家族で食事をする家もあると思いますがコロナ禍を経て減ってしまったような気もしますし、お盆を正式に祝う年配の方々も本当に年齢を重ねてしまい、それどころではなくなっているような印象も受けます。
またお盆を文化にのっとり丁寧に行う家庭は熱心な仏教徒である事も少なくありません。本人にその意識はなくとも、例えば四国のお寺参りに興味があったり、京都のお寺や文化が好きだったり。
かといって、日本人の場合は仏教徒であるからといって、神道行事であるお正月を祝わないわけではありません。これも日本人は自意識がないまますり込まれていますが、全国初詣の参拝者数4
これを考慮して私がお盆を何かと説明するのであれば、「May be people who cerebrate or follow the Obon, they often believe Buddism」ですが、同時に多くの日本人は仏教(Buddism)と神道(Shintoism)のハイブリッドな宗教観を持っている事を説明しておく必要があります。
しかし、現状ではお盆に実家に帰らなくなる人もしばしばだと思います。それでも、休みを口実にしたり、盆踊りや夏祭りに誘われて帰省する人は多いかもしれませんね。
日本には土着の文化があり全ての地域によって少しずつ異なる信仰があります。海外生活で聞かれる話の定番としての宗教の話では、常に日本人は何と答えていいのか?という葛藤に駆られます。そして、「特に信仰している宗教はない」となると、そこで話が終わってしまいます。宗教には哲学や道徳も含まれている為、宗教を学ぶ事は「教養」を得る事であると思っている人も多い為、話をしても面白くないと思われてしまうのかもしれません。
かといって、最近において信心深い若者が減少しているのは世界中において共通の現象です。しかし、それでも当然のように聞かれる「宗教」の話が話せるように対策しておくのは、外国人と話をする時はもちろん、海外留学や駐在時の交流においても大きく近づく事が出来ます。
お盆休みは帰省するわけだし、お正月は初詣にいって休むのですから、「無宗教」だなんていうのは、外国人には通用しません。分からないでスルーしてしまうのではなく、最初から予習をしておくのが、文化交流であり海外留学を成功させる為の第一歩です。
日本文化の奥深さ:海外の人にも伝えたい魅力
お盆は、日本人の死生観や家族観が深く根付いた、非常に大切な行事です。しかし、その文化的背景を理解してもらうのは容易ではありません。むしろ私達も分かっていないくらいなのですから。
日本は仏教と神道が融合し、上手に良い部分を取り入れていった国であるという事は間違いありません。キリスト教に関してはビジネスマーケティングに使われて、ハロウィーンやクリスマス等など、多くの人が自然にふれ合う事になりましたが、初詣に行く神社、家の氏子、お寺、お葬式、節々に宗教的要素があります。
しかし、日本人が最もわかりやすい信仰としては、やはりモノを大切にしよう。何故なら全てのモノには神様が宿っているのだから。という八百万の神という信仰です。その数がいうように、800万という数字はほぼ無限に全てのものに神が宿っているという事を指しています。
キリスト教やイスラム教、その他絶対的な「神」や「仏」という存在がいるなかに、日本のように全てのモノに神が宿っていて、その頂点というものが存在しない、「神」とは、一体どのような信仰心なのか興味を持ってくれる人は多いと思います。更に言えば、多くの日本人は「I have no religion」などと無宗教で話しを終わらせてしまうのに対して、エイトミリオンゴッドの話をすれば、多くの人が興味を持ってくれますし「教養がある人」だと思われるかもしれません。
そして、それが魅力的であると感じれば、自然に人が集まってきますし、友達も増えます。こんな言い方は良くないかもしれませんが、自分の「教養力」が高まれば、集まってくる友人達の「教養力」も高まり、質の良い仲間が出来るというのは事実として海外生活をサバイブするには知っておく必要があります。
日本文化は特殊であり、説明がしにくいから、不思議であり奥深く、外国人にとって「魅力的」であると言えます。
それに加えて、お盆は、日本人にとって、家族との絆を再確認し、先祖への感謝の気持ちを新たにする貴重な期間です。家族行事とは家族にとって素敵な時間であると同時に家族の誰かに準備や片付けなどで大きな負担をかけてしまうものでもあります。それらがお盆離れに繋がっていったのかは分かりませんが、もし自身が体験したような「苦労話」などがあるのであれば、それをエピソードトークとして取り入れても面白いと思います。
お盆の期間は確かに会社が休みになる大人に取っては良いかもしれませんが、お盆期間中は「ご先祖様が家に来ている」のだから、外出してはいけない!等のルールや、外に出るとお化けが出たりなど、何かと理由を付けて家にいさせられる人も少なくないと思います。インターネットがない時代は、ただ外にも出られずに過ごすお盆は退屈以外の何者でもありませんし、久々の帰省で親に小言を言われれば苦痛です。そういった経験を「お盆トーク」として話をするだけで、外国人は興味を持ってくれると思います。
お盆の意味や魅力を積極的に発信していく程の使命感を持つ必要はありませんが、これを機に自分達日本文化の知識を深めたり、英語で説明する練習をする事によって英語力は教養を高める事が出来ます。そして、これらは今後海外で外国人と仕事をしたり付き合ったりしていく際に大変役に立つ事であります。
英語が話せる定義において、「何が話せる」のではなく、「何を話すのか?」です。いくら英語が堪能でも中身がない話をしても、文字通り「中身がない人だな」と思われてしまうだけです。
英語の勉強の中にも教養を。是非組み込む意識をしながら英語の勉強頑張って下さい!
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